こんにちは、
株式会社デントランス代表
歯科医師の黒飛です。
歯科医院には
いろいろな方がいらっしゃいます。
現在は、予防歯科が
推奨されている時代ですから、
歯をはじめ口の中にトラブルが
何も起こっていない方でも、
定期的に口腔内のチェックに訪れることが
望ましいです。
さて、いろいろな患者さんを
お迎えするということは、
何か持病をお持ちの患者さんの口腔内を
お調べすることもあるわけです。
持病をお抱えの患者さんに対しては、
歯科医院はそれ相応の気配りを
見せることが必須でしょう。
今号では、ぜん息が持病の患者さんを
相手にする場合について、
取り上げることにしました。
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ぜん息の患者さんには
絶えず気配りが必要でしょう
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ぜん息はとても一般的な疾患です。
老若男女を問いませんし、
全国各地にいらっしゃいます。
ぜん息が特に恐れられてきた理由は、
発作がはじまると
呼吸が困難になってしまう
リスクがあるからです。
そして歯科医院での診察中に
症状が発生することだってあります。
それが重大な結果をもたらしてしまう
可能性は否定できません。
ぜん息の患者さんについては、
医院側はきちんと把握しておくに
越したことはないでしょう。
●初診時の対応
初めての患者さんには、
問診票に記入して頂くときに
教えて頂くのがベストです。
※問診票に「持病」を書く欄を
設けることは大事です。
その際に、「ぜん息」という項目を
明記してしまったほうがよいでしょう。
なお小さなお子さんの場合は、お母様に
ぜん息を含めた持病の有無を必ず
最初に確かめたいところです。
そのほか、
トリートメントコーディネーターが
いる場合は、どんな患者さんに
お話ししてもらうときでも
ぜん息については必ず
確かめてもらうとよいでしょう。
●季節ごとの対応
ぜん息は、季節によって
大きな影響を受ける病気です。
たとえば冬場は寒くなるため、
ぜん息の発作は起こりやすくなります。
このようなときは、
空調を適宜調節して、
発作が起こりにくくなるように
配慮するのが妥当でしょう。
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万一のときに備えて、
院長のあなたが普段から
やったほうがいいこととは?
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●治療内容への対応
よく知られていることですが、
ぜん息の患者さんには
投与してはいけない薬物があります。
たとえば、
「アスピリンぜん息」の患者さんの場合、
アスピリン関係の薬物はNGとなります。
また、一般の患者さんでもよく知っている
ロキソニンやボルタレンは使えません。
そして麻酔全般についても
かなりの配慮が必要です。
そのほか、ぜん息の患者さんは
精神的な動揺から発作を起こしてしまう
パターンがあります。
歯を削るだけでも
発作の原因になった事例すらあります。
(患者さんがリラックスできる環境を
整えてあげることは、とても大事です)。
※状況によりけりですが……
必要に合わせて、その患者さんが
ぜん息の治療のために
通っている主治医と会って、
治療方針等を話し合う必要が
出てくることだってあるでしょう。
●発作が起こったときのための対応
ぜん息の患者さんには、
発作を抑えるための治療薬を
毎回、欠かさず持参して頂くことが
何といっても重要でしょう。
もちろん、すぐに使えるように
取り出せるところに
置いて頂くべきです。
たとえばスプレーで吸入するのなら、
すぐにスプレーを取り出せるように
して頂きましょう。
●医院全体での勉強
あなたの下に勤務医がいるなら、
ぜん息の患者さんへの対応について
よく勉強してもらうことが大事でしょう。
その他のスタッフについても、
ある程度の知識があるに
越したことはありません。
機会があるなら、医院全体で
勉強会を開いたり資料を取り寄せて
全員で回し読みしたりするのも
いい方法でしょう。
今まで治療中心だった時代から
予防の時代に変わる時に
今まで以上に、全身疾患を知ることが
大事になってきます。
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ここまでお読み頂き
ありがとうございました。
デントランス 歯科医師
黒飛一志