こんにちは、
株式会社デントランス代表
歯科医師の黒飛です。
もう四半世紀も昔のことですが、
バブル経済が崩壊したのは、時代が
平成に入ってから間もなくのことでした。
それ以来、「失われた20年」という
言葉に象徴されるように
日本全体は、慢性的な不況(特にデフレ)に
覆われてきました。
株価や学生の内定率等を見る限り、
最悪だった時期はもうとっくに終わっている
と思われますが、
それでもまだ生活に苦しんでいる方は
少なくありません。
歯科医院で働いていても、そのような不況が
社会に残した痛手を目の当たりにすることは
あるはずです。
すなわち、今日のテーマは
生活保護を受給している患者さんです。
あなたの医院が、生活保護法に
もとづいた指定を受けた医療機関に
なっているなら、
そのような患者さんをお迎えする機会は
常にあるはずです。
また、指定を受けた医療機関ではなくても
急患さん等をお迎えする可能性は
あるでしょう。
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生活保護を受ける方を、
お迎えする際のポイント(診察時の場合)
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生活保護を受けている患者さんが
来院したとき、診療については
特にほかの患者さんと大きく変わってしまう
ところはないでしょう。
あえて補足するなら、
生活費に全然余裕がない患者さんの中には、
口腔内の健康状態が極端に悪化している
ケースがあります。
たとえば虫歯や歯周病が相当に進行している
患者さんに出会うことだって、
あっても全然不思議ではないでしょう。
このような場合でも、思ったことをみだりに
口にしてはいけません。
「あ~これはひどい!」
なんて、口にするのは軽率です。
そのようなささいなひと言で
傷ついてしまう患者さんだって
たくさんいるのですから。
虫歯や歯周病が重症の場合、
どんな患者さんに対しても
「治療を適切に行うことで得られるチャンス」
をお伝えすることが大切です。
したがって
生活保護受給中の方に対しても
「今までたいへんだったかもしれません、
しかし治療をお受け頂けば、しっかりと
噛める状態に戻りますよ…」
といった具合に、
建設的な言い方をするよう
意識するべきでしょう。
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生活保護を受ける方を、
お迎えする際のポイント(会計時の場合)
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生活保護を継続中の方が来院したときで、
特に気を使う必要があるのは
会計時でしょう。
この場合、診療費用はもちろん行政に、
ご本人の代わりに負担して頂くことに
なります。
そのためには、専用の医療券を受付で
提示して頂きますがその際は細心の注意を
払うべきです。
患者さんにとって、自身が生活保護受給者
であることはなるべく伏せておきたいもの。
そこで、医療券の提出をお願いするときは
言葉に気をつけて、周りの患者さんに
気づかれないように配慮するべきでしょう。
少なくとも
「生活保護の医療券をお願いします~」
なんて大声を出しながら要求するのはNGです。
ここでも1点補足です。
通常の受付・待合室以外に
余分な部屋(個室)があるのなら、
そこですべての手続きを
やるようにするのもなかなかいい対処法です。
ほかの患者さんから聞こえない場所があれば
必要な手続きと同時に、生活保護の範疇で
受けられる治療内容の説明をすることも
楽になることでしょう。
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生活保護利用中の方をどう受け入れるか?
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生活保護を受給中の患者さんを適切に
受け入れるにあたっては
院長のあなただけでなくスタッフ全員が
同じ心構えで臨むことがベストでしょう。
スタッフ間で情報の共有をしておきましょう
ミーティング等を利用して、生活保護の方が
来たときに注意すべきポイントを
伝えておくのがいちばんでしょう。
今日もお読み下さり
ありがとうございました。
デントランス 歯科医師
黒飛一志