歯科治療に不安のある患者さんとの信頼関係を築くには

歯科治療に不安のある患者さんとの信頼関係を築くには

こんにちは、黒飛です。

 
あるクリニックでの会話です

先生のクリニックとどこが違うかを
考えながら読んでください。

(先生)
こんにちは、
今日はどういったことで来院されましたか?

(患者)
前の先生に4番目の歯を抜かれてしまい
ちょっと不安になったものですから

(先生)
抜かれてしまったのですか?

(患者)
ええ、それに咬み合わせも前から気になります

(先生)
咬み合わせではどういった症状があるのですか?

(患者)
痛みはないのですが。奥歯の噛み合わせが
悪いので咬み合わせを高くするように
前の先生は言ってました。

前歯も黒くなってきていますし

(先生)
前歯が黒くなったのは、いつ頃からですか?

(患者)
前の先生に言われてからですから
3か月くらい前です。

次はこの歯も治療しなければいけないようで
また歯を抜かれるかと思うと怖くて。
抜いた後は食べ物も詰まるし

(先生)
では、前歯から診てみましょう

(患者)
また、抜かれてしまうのでしょうか?

(先生)
それは診てみないとなんとも

(患者)
抜かれてしまった歯も、
本当は抜かないで済む方法があったのでしょうか?

(先生)
それも診てみないとわかりませんね

 

こんな患者さんに、どう対応しますか?

 
この患者さんは、
以前の抜歯治療に納得していないようです。

そして、それが影響しているのか
「抜歯に至るような治療は受け入れたくない」
と思っているようです。

ですが、診察してみると抜歯は避けられない。

そこで、「お気持ちはわかりますが
前歯も抜いたほうがいいですね」となる。

十分に時間をかけて抜歯と投薬の説明をして
次回の抜歯の予約を取るように伝えたけれど
患者さんは予約を無断キャンセル。

なんとも、後味の悪い結末です。

 

先生も、これに似たような問診の経験が
あるのではないでしょうか?

このように、患者さんとの信頼関係が
できていない状況で治療をするのは危険です。

まずは、患者さんとの信頼関係を築くことに
重点を置いた問診をする必要があります。

 

信頼関係を築く強力なテクニック

 
このような漠然とした不安・不満・恐怖を持つ
患者さんの場合には、患者さんの「望み」

すなわち、「何がどうなったらよいのか」を
探ることが状況打開の鍵になります。

そのための第一歩として、
「今、一番気になっていることは何ですか?」
と訊いてください。

問題の優先順位について問いを投げかければ
患者さんはどの問題から解決したいかを考え始めます。

一番の望みは、今の痛みを抑えたいのか?
自分の歯を少しでも残したいのか?
見かけをよくしたいのか?それはなぜか?

場合によっては、
それらの問いに答えることによって
初めて、自分の「望み」に気づく患者さんもいるでしょう。

このように、患者さんの本当の「望み」を
一緒に探る当てることをすれば
患者さんは先生を味方とみなして
治療に対して俄然、協力的になるはずです。

このように、患者さんの「望み」を訊き出し
それを叶えるために協力する姿勢を示すこと
で患者さんとの信頼関係を築くことができます。

 

「今、一番気になっていることは何ですか?」

 

これは患者さんの望みを探り
信頼関係を築く強力な問いです。

ぜひお試しください。

 
今日も読んで頂き
ありがとうございます。