一歩間違えたら@歯科

一歩間違えたら@歯科

こんにちは、
株式会社デントランス代表
歯科医師の黒飛です。
 
 
「経営者は孤独だ!スタッフの誰も、
 私のことを理解してくれない!」
 
これは、先日、
ある企業の社長と話をしていた時に
その社長が言った言葉です。
 
その会社は数百名もの社員を抱えた
中堅どころの会社です。
 
社内の雰囲気も明るく
社員とも、よく話をしていたし
経営もうまくいっているように見えたので
社長の発言は意外でした。
 
その真意を聞いてみたところ、最近
社員が働きやすい職場にしようと
社内改革を実行したが
 
社員がついて来ずに
逆に社内の雰囲気が悪くなった
ということでした。
 
よくよく話を聞いてみたら
私たちのようなクリニックでも
あり得ることが原因のように思えました。
 
それは
 
 
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スタッフへの理解活動が不十分
 
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ということです。
 
その社長としては、スタッフのためになる
良いアイデアだと思って、進めたのですが
スタッフには、それが理解されていなかった
というのが原因のようでした。
 
現状でも、そこそこ満足している
スタッフからすれば、新たな取り組みは
リスクと受け取られかねません。
 
現状が不満だらけなら
「今よりも悪くはならないだろう」
と思って、指示に従うかもしれませんが
 
現状に満足していたら
「もし失敗して、悪くなったら嫌だ」
という気持ちが勝ってしまって
無意識に、改革に反対してしまいます。
 
このため、
改革や新しいことに取り組む場合には
それをすることによるスタッフのリスクも
考慮しなければなりません。
 
例えば、スタッフの負担軽減のために
新しくスタッフを雇用する場合でも
同じようなことが言えます。
 
 
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新しいスタッフを雇用するリスク
 
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新たなスタッフを雇用するのは
先生にとってもリスクです。
 
採用のためには
費用や時間が必要になりますが
それで、望む人材が採用できる保証は
どこにもありません。
 
一方、スタッフの方としても
新たな人材が入ってくることには
リスクがあります。
 
例えば、歯科医院の雰囲気が変わるとか
キャリアの豊富な人が入ってきて
自分のやりたい仕事ができなくなるとか
望むシフトに入りづらくなるとか
 
先生からすると、たいしたことはない
と思えるようなことがリスクになります。
 
それよりは、現状のままで我慢できる
と思って、スタッフの新規採用に
否定的になります。
 
あるいは、ベテランのスタッフは
新人教育のために、より忙しくなる
と反対するかもしれません。
 
 
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リスクを特定して、低減しましょう
 
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そのような場合には、事前に
スタッフの理解を得ることが大切です。
 
スタッフが増えることによるメリットは
細かく説明しなくてもわかるでしょうから
スタッフが考えるリスクを低減して
理解を求めなければなりません。
 
そのためにはスタッフとよく話し合い
スタッフが考えるリスクを感じ取り
それを低減する提案をすることです。
 
例えば、採用する人材に制限を設けるとか
採用面接にスタッフも参加するとか
新人教育のために特別ボーナスを出すとか
 
クリニックによって状況は様々でしょうが
スタッフのことを後回しにせずに
十分な時間をかけて
話し合う必要があります。
 
そうすれば、スタッフは協力的になり
先生の取り組みを応援してくれるはずです。
 
スタッフは先生とは立場も違えば
考え方も違います。
 
それなのに、「スタッフはわかってくれる」
という、根拠のない自信と思い込みで
新しい取り組みに着手するのは危険です。
 
それこそが、クリニックにとって
最大のリスクになります。
 
 
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理想のクリニックを作り上げるために
 
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新しいことをやりたい
現状を変更したいと思ったら
 
「今度、これをやることにするのでよろしく」
というように、決まった後の結果だけを
伝えるのではなく、
 
なぜ、それをやる必要があるのか?
それをやるとクリニックやスタッフに
どんな良いことがあるのか?
 
というところまで具体的に話し、
スタッフの意見に耳を傾けて
できることは全てやる
という態度が重要でしょう。
 
自分とは違う立場の人を動かすのは
とても大変なことですが
 
先生が理想とするクリニックを
作り上げるためには、現在のスタッフの
協力が欠かせないのですから。
 
先生の理想の姿を明確にして
スタッフの意見に耳を傾けて
同じ方向を見て進むようにしましょう。
 
 
今日も読んで頂き
ありがとうございます。
 
 
株式会社デントランス
黒飛一志
 
 
P.S.
 
多くの先生から依頼がある
「20年、衛生士求人に困らない方法」
2019年に復活させる予定です。
 
楽しみにしておいて下さい。