歯科の営業も「役割分担」してみてはどうでしょうか?

歯科の営業も「役割分担」してみてはどうでしょうか?

こんにちは、黒飛です。

 

以前のブログで、
治療や予防が必要な患者さんには営業し、
彼らの決断を後押ししましょう、

という話を紹介しました。

この話を知人にしたところ、
「そういえば」と彼が通っている歯科医院の
上手い営業を聞くことができたので、

今日はそれを紹介します。

 

 治療内容により医師が変わる

 
彼がこの歯科医院を選んだのは、
会社から徒歩30秒という立地の利便性、
とのこと。

歯が痛み出し、我慢できなくなったので、

スマホでこの歯科医院の評判を調べ、
特に変な評判がないことだけは確認しておき、

飛び込みで治療をお願いしたそうです。

幸いにも院長先生がすぐ診てくれ、
彼に必要な治療を説明してくれました。

 

必要な治療は、
う蝕の治療と親知らずの抜歯。

 
親知らずを30年近く守ってきた彼としては
抜歯に抵抗があったようですが、

「親知らずを抜く腕の良い医師が担当します」

この一言にコロッと心を奪われたようで、
すぐにお願いすることになったそうです。

彼に聞いてみると、親知らずを抜くというのは
「痛い」というイメージがあったけれども、

「親知らずを抜く腕の良い医師」という、
その専門性への期待値から
「痛くないかも」と思うようになり、

「その申し出に抵抗できなかった」

と言っていました。

 

 スケジュールを抑えてしまう

 
初日はう蝕の治療のみを行い、
親知らずについては治療方針の相談が行われました。

この時、4本の抜歯スケジュールは
すべて決めてしまったそうです。

抜歯専門の医師のスケジュールは
どんどん埋まるらしく、

「やっぱり専門家は違いますね」、
と知人もますます期待値が上昇したようで、

1ヶ月強に渡る抜歯スケジュールを
受け入れたと話していました。

 

 役割分担で治療も営業もする

 

この歯科医院は営業がうまいな、
と知人が思ったのは、

抜歯の前後に院長先生が、
化膿のチェックや抜歯後のケアをする、

という役割分担をしていること。

そして、
次の抜歯までのスケジュールを確認しつつ、
う蝕の治療スケジュールも提案し、
埋めていったそうです。

 

「次の抜歯まで2週間空いていますから、
このお口の様子なら1週間後に虫歯の治療を
入れても大丈夫ですね。
もし、抜歯の痛みが残るなら、その時に対処しましょう。」

 

自分のことを考えてくれてるな、
という院長先生の姿勢に彼はすっかり、
この歯科医院のファンになったそうです。

事実、彼は2年前から今に至るまで、
この歯科医院に通い続けています。

 

 きちんと伝えることが大切

 
この話から意識すべきことは、

□ 専門性で患者さんを安心させている
□ スケジュールを先々まで抑えている
□ 院長先生がマーケティングをしている

これら3点です。

歯科治療のことをよく知る我々と違い、
患者さんは歯の治療といえば「痛い」
という不安感がまず頭に浮かぶものです。

あまりの痛さに耐え切れずに治療に来た時こそ、

「歯科医院イコール痛い」

という不安感を払拭するチャンスなのですが、

この時、「抜歯専門の医師が担当する」
という専門性を出すことで、
患者さんの不安を解消しています。

 

契約書なら弁護士に見せれば安心、
財務諸表なら会計士に見せれば安心、
これと同じです。

 

実際知人は、スケジュールを埋めることにも
う蝕の治療予定を合間に入れることにも
何の抵抗もなかったと言っていますから、

信頼をつかんだ時こそが営業のしどころ、
になるわけです。

特にしっかりとしているな、感じるのは、
院長先生がケアをする、というところです。

おそらくですが、抜歯専門の医師は
営業が苦手なのでしょう。

だから院長先生が代わりに営業できるように、
抜歯ケアの時間を抜歯前後に取るわけです。

この抜歯ケアの時間が営業の時間、
となっているのですね。

 

抜歯専門の、という話が使えるかどうかは
歯科医院によって異なるかと思います。

しかし、この医院に学ぶべきことは
たくさんあるのではないでしょうか?

 

 

実はこの話にはまだ続きが
ありまして・・・

それは、なぜ知人が抜歯と、
う触治療を終えてからも
この歯科医院に通っているのか、
ということなのですが

長くなりましたので、
この秘密は次回お話します。