こんにちは、
株式会社デントランス代表
歯科医師の黒飛です。
医療モールという言葉が
一般的に使われるようになったのは、
おそらく遠い昔のことではないでしょう。
以前のブログでもお伝えした
ショッピングモールという言葉に
あやかってつくられた言葉にも思えます
(黒飛は言語学者でも
社会学者でもありませんので、
真相は定かではありませんが)。
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医療モールができた背景は
いろいろでしょう
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医療のニーズは
どちらかといえば上がっています。
高齢化がすさまじい時代ですから
それは当たり前でしょう。
そして、歯科医師には
関係のないことですが
一般の医科となると……
科目の差や地域の差があるとはいえ、
全体的に人材不足。
長時間労働を強いられている
医師や医療機関がやたらに多い時代です。
とにかく、医療に対する
一般社会におけるニーズが、
医療モールのような
複合型の施設を
もたらしたといえそうです。
そして、歯科医療業界にとっても
医療モールはだんだんと
身近な存在になってきました。
日本では通常の医科と歯科が
はっきりと区分されているのですが、
歯科医院が医療モールの中に
入居することは、
まったく珍しい現象ではありません。
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歯科医院が医療モールに入るとき、
どんな点をまずチェックしたら
いいでしょうか?
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歯科医院の開業、または
移転やリニューアルオープンを
希望している先生はたくさんいるでしょう。
その際に、医療モールへの入居は
なかなか悪くないアイデアとなります。
それだけで開業後の集患や増患が
有利に進むというイメージが
広がっていますから。
とはいえ、医療モールへの入居は
必ずしも成功につながるとは
限りません。
医療モールにはいろいろな
メリットがあります。
それと同時に、いろいろなデメリットが
あることも指摘されています。
それらのメリット・デメリットについて
黒飛が最近感じるのは、
「メリットを期待して入ったら、
その反対でデメリットになってしまった」
そのようなパターンの多さです。
1.開業等の費用
まず医療モールは、医療機関が入居する
予定で設計されています。
歯科医院にとっても都合のよい間取りと
なっていることは多いです。
このため、通常のビル等に入るときより
改造費がかからなくて済む
ケースがあります。
しかし絶対にそうだとはいえません。
初期費用が高くつくケースはありますし、
開業後の運営・維持のコストが
かさんでしまったというケースだって
あるのです。
2.共有の設備・スペース
費用面でのメリットと関係しますが、
駐車場や洗面所といった施設を、
他院と共有するパターンは
医療モールではよくあること。
一部の施設を共有するのは、間取り上の
メリットにつながることもあります。
しかし共有スペースは、基本的に
専有スペースと比べて
「使いたい放題ではない」
というデメリットがあります。
混雑してしまうこともありますし、
思ったより汚れてしまうことだって
あるでしょう。
他の医科の患者さんが溢れて
駐車場が足りないという話はよく聞きます。
※特に受付には注意。
受付まで共有となると、
受付や事務の作業が
あれこれと制限されます。
3.設備や内装
ある程度医院向きの
間取りや構造になっているのが
医療モールのいいところ。
だからといって、
「理想の歯科医院」の実現がしやすいとは
言い切れません。
たとえば内装や設備について、
思わぬ条件があったり
業者が指定されていたり
といったパターンもあるのです。
4.集患・増患
医療モールに入っているだけで、
患者さんが来てくれる……
という読みは、確かに当たっています。
しかし、実際には他の医科の医院からの
紹介患者さんは全然だったり、
他の医院にも患者さんが来なかったり。
他には、歯科医院が2院以上ある場合も
あります。
(契約で注意して下さいね)
こうなると、かなりの競争になる
恐れが強まります。
あるいは、モール内のどこかの医院が
何か事件でも起こしてしまうと?
そのモール全体の集患が難しくなるでしょう。
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医療モールへの入居の際も
ひと通りのチェック・検討は
怠らないことが大事
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このように医療モールのよしあしを
検証すると、「医療モールもピンキリ」
ということがわかります。
医療モールへ入れる機会が
舞い込んできたときは
頭を冷静にしながら
判断する……、それに尽きるでしょう。
ここまでお読み頂き
ありがとうございました。
デントランス 歯科医師
黒飛一志