こんにちは、
株式会社デントランス代表
歯科医師の黒飛です。
今年ももうすぐ終わりですね。
頑張りましょう。
さて、日本の歯科医院は現在、
多様化が進んでいる時代に入っています。
都市部では
歯科医院の絶対数が多すぎるため、
「よその医院がやってないこと」を
追求する医院が増えているのです。
それは、自然な成り行きだといえます。
そして、近年はなんと「24時間体制」で
運営されている歯科医院が登場しています。
これは、一昔前の常識では全然
想像できなかったことかもしれません。
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24時間体制の歯科医院が現れた背景とは
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黒飛は最近、
24時間やっている医院について
少しずつ質問を受けるようになりました。
夜間も休まない歯科医院が登場したのは
需要があるからでしょう。
これは、歯科医院に限ったことでは
ないのですが、医療機関全体に対して
「もっと長時間、開いていてほしい」
という要望が、市民からよく出ています。
たとえば一般の会社員や公務員の場合、
平日の昼間に病院に行くチャンスは
なかなか持てません。
土日に対応してくれる病院が
歓迎される理由はそこにありますが、
「仕事がはねてからも行ける病院」
「夜遅くになっても行ける病院」
を求める声も同様に多いのです。
このような傾向は、
歯科医院にも該当します。
都心部では
夜遅くまで診療する歯科医院は
珍しいものではなくなりましたが、
その延長で「24時間体制の歯科医院」も
登場するようになったのでしょう。
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24時間いつでも開いている歯科医院
その動きに追随する必要性は?
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では今後、24時間体制の医院は
当たり前になっていくでしょうか?
これは正直に申しまして、
かなり微妙です。
少なくとも、特定の条件がない限り、
24時間体制にする必要はないだろうと
黒飛は考えています。
たとえば、
・東京や大阪の中心部で、
夜になっても町全体がにぎやかな場所
・24時間休みなく稼働している企業が
周囲にたくさんあって、日中以外の
時間帯でも患者さんがいそうな場所
こういった条件が見つかるのであれば、
24時間体制にするのも
意味があるのではないでしょうか。
しかし、そのような事情がない場合なら
24時間体制にする必要性はないでしょう。
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もし24時間診療する歯科医院に
変わるとしたら?
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24時間体制にするには、
まずスタッフを交代制にして、
シフトをつくらないといけません。
それから、医院をずっと稼働させることに
なりますから、コストも自然と
増えることになります。
このほかにも考えないといけないことが
山のように出てきます。
たとえば、院内の掃除をするタイミング。
これは、患者さんの少ない時間帯を狙って
やることになりますが、
患者さんに断りを入れながら
掃除する必要も出てくるでしょう。
以上のポイントを踏まえると、
医院を24時間体制に変えるには、
患者さんの人数に加えて、
院内のスペースやチェアの台数、
スタッフの人数等も
カギになるでしょう。
少なくとも、求人を出してもなかなか
スタッフが見つからない地域では
不可能でしょう
(夜勤をやってくれるスタッフは
やはり見つけるのに苦労するものです)。
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24時間にする意味がありそうな
立地条件の場合でも、慎重に考えて
決断を下すべきでしょう
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朝・昼・夜と休みなく患者さんを
受け入れることで、確実に収益が
出そうだと確信を持てる場合にのみ
実行に移すべきだと思われます。
また、24時間診療体制をすでに
導入している医院に連絡を入れて、
見学させてもらうのもいい考えでしょう。
もちろん、その医院の都合に合わせて
見学を申し込む必要がありますが。
※周囲の患者さんの動向をよく調査して、
医院の診療時間・診療体制を
見直すことは悪いものではありません。
患者さんに対して、その点のアンケート
調査を1度行うのもいいでしょう。
ここまでお読み頂き
ありがとうございました。
デントランス 歯科医師
黒飛一志