こんにちは、
株式会社デントランス代表
歯科医師の黒飛です。
先日、知り合いの先生に伺った話です。
偶然、受付スタッフと診療が終わった
患者様の会話を耳にしたそうです。
受付スタッフ:
「次回のご予約はどうされますか?」
患者様:
「スケジュール帳を持っていないので
あとで、こちらから電話します」
受付スタッフ:
「わかりました。では、お大事に」
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患者様が再来院しないワケ
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さすがに、
その場に出て行くのも気が引けたので
患者様がお帰りになってから、
スタッフに聞いたそうです。
先生:
「ちゃんと、アポをお取りしないと
いけないじゃないか」
受付スタッフ:
「後で、電話をくださるそうですから、、、」
先生:
「患者様がアポとりの電話を
忘れてしまうかもしれないよ」
受付スタッフ:
「大丈夫ですよ。
それに、予定がわからないとおっしゃる
患者様にはいつもそうしていますから」
先生:
「えぇ?いつも?
それでどのくらい電話がかかってくるの?」
受付スタッフ:
「さぁ?どのくらいでしょうか。わかりません」
先生:
「、、、」
その先生は以前から
再来院の患者様が少ないと思っていて
どこが悪いのか悩んでいたそうです。
私と話をしていた時には
「ようやく、原因がわかりましたよ」
と苦笑いされていました。
その場でアポを取らず、患者様任せにしたら
患者様は忙しさにかまけて予約を忘れ
そのうち、足が遠のいてしまいます。
ましてや、ほとんどの治療が済んで
痛みなどが伴わなければ
来院する緊急性もありません。
ですが、来院回数が減るということは
「生涯患者価値」が低下して
医院経営が苦しくなります。
もちろん
患者様のためにもなりません。
このため、再来院のアポ取りは
受付スタッフの重要な役割になります。
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診察後のアポ取りのポイント
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患者様のためとは思っていても
アポ取りをする気がひける
というスタッフもいます。
それを強引にやらせようとするのは
よくありません。
何が何でもアポを取らないといけない
という思いが、患者様に伝わるからです。
そうすると患者様は逃げていきます。
誰だって、目の色を変えて
アポを取りたがる歯科医院に
行きたいとはおもいませんからね。
ですので、患者様が自ら
「アポを入れたい」と
思わせることが大切です。
そのためには、患者様に
次のような感情を引き起こすことが
ポイントとなります。
特別扱いされている優越感と
希少性・限定性です。
では、具体的な事例で見てみましょう。
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患者様に喜ばれるアポの取り方(具体例)
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この例では、受付スタッフが
これまでの患者様の来院状況を把握している
という前提とします。
受付スタッフ:
「○○様。お仕事でお忙しいと思いますので
優先的にご予約をお取りさせて頂きます。」
(「優先的に取る」と言われて
嫌な気分になる患者様はいらっしゃいません)
受付スタッフ:
「○月○日の○時からなら、今のところ
ご予約をお取りできますが、
お越しになれそうですか?」
(これまでの患者様の診療日から判断して
ピンポイントで提案することがポイントです)
(時間まで指定して提案すると、その他の時間は
予約が入っており、「ここは人気の歯科医院だ」と
思ってもらえます)
患者様:
「えぇっと。その時間はちょっと都合が悪いな」
受付スタッフ:
「そうですか、残念ですね」(一旦、受け止める)
「それでは?」(予約で一杯のところを探すフリ)
「あっ、良かった。○日の○時なら空いていますが」
患者様:
「うぅん。多分、大丈夫だと思うけど、
スケジュールを確認してみないと」
受付スタッフ:
「では、埋まってしまわないように
予約を入れておきますね。
もし、ご都合が悪ければ、お電話を
いただくということでもよろしいですよ」
(ここでも、希少性を醸し出す)
患者様:
「わかりました。お願いします」
このような対応をすれば
患者様は、なんとか都合をつけて
来院しなければ、と思います。
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予約を
「入れる」「入れない」の選択肢にしない
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ここでご紹介したのは、一つの例ですが、
最大のポイントは
予約を「入れる」「入れない」の
選択肢にしないということです。
「予約を入れる」のを前提に
「いつにするか?」を選択肢にするのです。
そうすれば、間違いなく予約が取れます。
再来院してもらえます。
ただし、注意したいのは
「いつでも予約が取れる歯科医院」と
思われないようにすることです。
そう思われたら、
簡単に予約を変更されてしまいますし
人気のない歯科医院だと誤解されます。
スタッフの受付教育でも
同じような受け答えは教えるでしょう。
ですが、
「なぜ、その受け答えが必要なのか」を
ちゃんと教えないところもあるようです。
そんな時は、先生から
その理由を教えてあげてください。
ほんの小さなことですが
医院の経営に大きく響いてくる
大切なことです。
今日も読んで頂き
ありがとうございます。
歯科医師
黒飛一志