「オープン・ブック・マネジメント」を歯科でも活用してください

「オープン・ブック・マネジメント」を歯科でも活用してください

こんにちは、黒飛です。

本日の大阪は、1日雨のようです。
先生の地域はどうでしょうか。

 
先日、複数の院長先生とお話をしていた時に
「オープン・ブック・マネジメント」について
賛否両論の意見が出ました。

先生も税理士・会計士さんなどから
「オープン・ブック・マネジメント」について
聞かれたことがあるかもしれませんし
採用されているかもしれません。

 
「オープン・ブック・マネジメント」とは
1990年代後半から、米国で注目され始めた
マネジメント手法です。

「オープン・ブック」とは、
「ブック」、つまり簿記・会計を開示して、
チーム全員参加型で経営をしていく、
マネジメント手法のことです。

医院の会計情報をスタッフに開示して
改善ポイントを明らかにすることで
スタッフ一丸となって利益アップに
取り組もうというものです。

 

「オープン・ブック・マネジメント」の失敗

 
ある先生は、売り上げはある程度ありましたが
どうにもお金が残らないということで
会計の勉強をして、自院の収支構造を確認しました。

その結果、様々な問題点や改善点に気づきましたが
これらを自分一人で解決するのは無理なので
スタッフ一人一人に細かい指示を出していました。

 

ところが、スタッフの方は、単に仕事が増えただけ
あるいは、院長がやたらと細くなったと思ったのか
思うように動いてくれませんでした。

そこで、スタッフ全員に
医院の会計状況を説明しました。
(オープン・ブック・マネジメント)

「こう、こういう理由だから、もっと売上を上げて
この部分を削減すれば、利益が残るから、
もうちょっと頑張ろうね。」と。

ところが、スタッフからすれば
毎日、時間まで一生懸命に働いているのに
あたかも自分たちの働きが悪いから
だからもっと頑張れ、というように取られたようです。

説明の最後には「みんな、頑張っているんです!」と
涙声で訴えるスタッフが出る一方で

「先生の給料を減らせばいいんじゃないですか」
と言い出すスタッフまで出る始末になりました。

そもそも、利益を増やして、スタッフの福利厚生や
患者様の満足度を高めようと始めたのに
逆にチームに亀裂を生む結果
となってしまいました。

 

失敗した「最大の理由」とは?

 
実は、この先生、今でも
「オープン・ブック・マネジメント」を
使っています。

しかも、スタッフ一丸となった
改善行動ができるようになっただけでなく

スタッフが自主的に行動して、
売上・利益ともに向上しているそうです。

 

なぜ、そのような大転換ができたのかというと
説明の仕方、特に、話す順番を変えることで
スタッフの理解を得られたからです。

最初は、「今、売上がこうですから
こういう売上を目指しましょう。
そのためにこれをしましょう。」
と説明していました。

このような説明の前に、まずはスタッフが
「なんのために医院の売上・利益を
上げないといけないか」を納得するまで
じっくりと話をしたのです。

スタッフは「いい治療がしたい」
「患者様のために働きたい」と
思っています。

そうでないスタッフ一部いるかも知れませんが。

 

一方、院長先生は、「スタッフは
そのためには利益を確保する必要があることを
わかっている」と思い込んでいます。

でも、必ずしもスタッフが
わかっているとは限りません。

そこが経営者とスタッフの違いです。

先生の理念やビジョンが浸透している医院なら
そんなことはないでしょうが、

そうでないと、単なる金儲けに
走っているように取られかねません。

ですから、最初に、
何のために歯科医院を経営するのか?

そのためには利益を確保する必要があり
利益が確保できれば、何を達成できるのか?
などを、スタッフと話し合う必要があります。

 

「医院理念」が全ての基本

 
私の話は、いつも
理念やビジョンに落ち着いてしまって
申し訳ないと思っています。

ですが、これらはマネジメントや
マーケティングの基本なのです。

だから何度も出てきます。

それが定まっていないと
何をしてもうまくいきません。

「オープン・ブック・マネジメント」にしても
成果を出している医院とそうでない医院の違いは
ここにあると考えています。

成果を出している医院は
何か秘密の手法を知っているからではなく
誰でも知っている当たり前のことを
確実に実施しているから成果が出るのです。

 

理念やビジョンを持っているか?

それを周りに伝えて、理解されているか?

それに従った行動を取り続けているか?

 

結局、こういったことがちゃんとできていれば
どんな手法や技術を使っても成功できます。

 
根管治療をしっかりとしないまま、
かぶせを入れても、やがて再治療になってしまいます。

まずは土台をしっかりと固めることが
どんな時も大事であるということです。

 
また院長が新しいことを始めて、
しばらくしたら辞めたということにならないように
オープンブックマネジメントにしても、
何にしても、理念をしっかりと考えましょう。

 
今日も読んで頂き
ありがとうございます。