こんなワナに引っかかっていませんか?@歯科

こんなワナに引っかかっていませんか?@歯科

こんにちは、
株式会社デントランス代表
歯科医師の黒飛です。
 
 
本日は、リッツカールトン東京にて
歯科経営塾で6名の先生方に
グループコンサルをしています。
 
http://dtr.jp/skj
 
最新の業界の状況をお伝えし、
その対策をみなで考えています。
 
情報を知ることは大事です。
知っているだけで、解決することも多いです。
 
 
さて、本題です。
 
 
突然ですが、もし知事選挙で
次の3人が立候補していたら
院長先生は、誰に投票しますか?
 
一番目の候補者は、
 
・腐敗した政治団体とのトラブルに
 巻き込まれたことがある。
 
・星占いに凝っている。愛人が二人。
 
・ヘビースモーカーで
 日に6箱から10箱空ける。
 
二番目の候補者は、
 
・二度役職を罷免されたことがある。
 抑うつ傾向があり、お昼まで寝ている。
 
・毎日ウイスキーをひと瓶開け、
 仕事中に居眠りをする。
 
三番目の候補者は、
 
・愛国者で勲章を与えられた。
 菜食主義者で、タバコを嫌い
 
・たまにビールは飲むが、
 性生活はきわめて慎ましい。
 
 
さて、誰に投票しますか?
 
普通であれば、三番目の候補者でしょう。
もっとも素直で、誠実で
信頼できそうですよね。
 
実は、この候補者は
いずれも実在した政治家です。
 
その人物とは順に
 
フランクリン・ルーズベルト
ウィンストン・チャーチル
アルドフ・ヒトラー
 
です。
 
そうです。先生が選んだのは
アルドフ・ヒトラーです。
 
 
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「代表性」という人間心理のワナ
 
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これは、マッテオ・モッテルリーニ著の
「世界は感情で動く」紀伊国屋書店
からの引用です。
 
引用した事例は、この本で紹介されている
人間心理の一つである「代表性」
についての説明文です。
 
この本では、普通の人が
ヒトラーがもっとも信頼できそうに思えるのは
 
「代表性」のマジックという
きわめて一般的な脳のトラップに引っかかるから
としています。
 
三番目の候補者が
素直で信頼でき安心できる人に「典型的な」特質を
持っているからだそうです。
 
つまり、私たちは、ある人や物事を判断する時に
その人や物を仔細に調査・評価・判定するのではなく
これまでの経験で似たような人や物で判断する
ということです。
 
普通であれば、それは非常に効率的・合理的な
判断方法ですが、時には、
それが災いとなることがあります。
 
我々、歯科医の場合だと
患者様を見た目で判断してしまう
ということも、「代表性」の一例でしょう。
 
 
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歯科医院でありそうな「代表性」のワナとは
 
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院長先生も、患者様の症状については
できる限り先入観を入れずに診察しよう
と思われているでしょう。
 
ですが、「自費治療を受け入れてくれそう」とか
「ホワイトニングに興味を持ちそう」とかを
見た目で判断してはいないでしょうか?
 
その判断の大半は合っているのだと思います。
 
ですが、
全て、100%そうだ!と言い切れないのも
事実だと思います。
 
例えば、そのうち10%が
見た目の判断と違ったらどうでしょうか。
 
その患者様のお役に立つ機会を
失っていることになります。
 
患者様にご案内した上で、
患者様ご自身が判断されて
自費治療を見送るのであれば致し方ありません。
 
ですが、院長先生が見た目で判断して
自費治療のご説明を省いているとしたら
 
あまり積極的に勧めていないとしたら
それは患者様のためにもなりません。
 
 
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「代表性」のワナにはまらずに済む方法
 
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患者様への言葉使いとか気配り程度などは
「代表性」で感じたままの行動で問題ありません。
 
何でもかんでも、
「その患者様特有」と考えて
根掘り葉掘り聞いたり、
その都度対応していては時間もかかりますし
患者様も気分を害します。
 
ですから、
「ここは」という信念も持つところだけは
「代表性」にとらわれずに、
全ての患者様に対して行うようにしてはどうでしょうか。
 
例えば、このレベルの症状を越えたら
見た目がどうであれ、全ての患者様に
自費治療を強く勧める、といった具合です。
 
その元になるのは、患者様に対する想いであり
院長先生の信念でもあります。
 
そういう「特別なポイント」に絞って
心から対応すれば、必ず患者様に伝わります。
 
逆に、そうは思っているけれども
勧める患者様とそうでない患者様を
見た目で判断していると
 
不思議な物で
その想いが患者様に伝わってしまいます。
 
「私は誘いやすいように思われているんだ」とか
「どうせダメだろうと思って言っているんだ」とか
思われてしまいます。
 
それは院長先生の本意ではないと思います。
 
ぜひ、「代表性のワナ」にはまらず
信念を貫き通したいものですね。
 
 
今日も読んで頂き
ありがとうございます。
 
 
歯科医師 
黒飛一志