院内ラボってどうなの?@歯科

院内ラボってどうなの?@歯科

こんにちは、
株式会社デントランス代表
歯科医師の黒飛です。
 
 
今ここをお読みのあなたは、
独自の理念を持ってご自身の医院を
経営しておられることでしょう。
 
診察の科目・内容にしても
おおいにこだわりを
お持ちではないでしょうか?
 
さて、ときどき黒飛は
「院内ラボ」「院内歯科技工士」について
お問い合わせを頂くようになりました。
 
改めてお教えする必要はないですが、
歯科技工士は、義歯の調整をはじめ
TEKの調整、シェードテイキングなど
 
さまざまな形で活躍してくれる、
歯科医院にとって頼もしい存在です。
 
そして、保険診療から自費診療まで
活躍できる範囲はけっこう広いです。
 
※保険診療については、
 標榜している医院がほとんどですし
 歯科技工士がいらないという医院は
 めったにないはず。
 
 なのに院内ラボを持っている医院は、
 いまだにかなり少ないでしょう。
 
今号では、その院内ラボを導入したときの
メリット・デメリットを
ご説明しましょう。
 
 
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院内ラボ・院内歯科技工士を
取り入れたらどうなる?
 
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ではメリットから、ご紹介しましょう。
 
・義歯や補綴が必要な患者さんに対して、
 質の高い診療サービスを提供可能となる
 
これが最大のメリットでしょう。
 
歯科技工士がすぐそばにいる以上、
院長のあなたや勤務医は
それぞれの患者さんに対して
望ましい義歯・補綴の内容を
詳細に伝達できるようになります。
 
そして、その場ですぐに調整、修理が
できるようになります。
 
これはたとえば、近隣に
義歯を必要とするご高齢の方が多い場合は
かなりの強みとなる可能性があります。
 
やはり、合わない義歯を使っている
ご高齢の方はいまだに多いですから。
 
また、訪問歯科を
やっていく場合でも同様です。
 
さすがに歯科技工士を連れて
訪問診療に出るわけにはいきませんが、
外注するよりはかなり有利なはずです。
 
 
●自費の審美歯科を目指す場合は、
 色をはじめ患者満足度が高い出来栄えを
 実現しやすくなる
 
歯としての機能を回復するだけでなく、
見た目にこだわった義歯や補綴物を
つくり上げるためには、
熟練した歯科技工士が院内に
常駐してくれるほうが断然有利でしょう。
 
  
●急ぎの依頼に対して、
 短時間で間に合わせることだって
 できるようになる
 
義歯に不具合が突然発生した場合や、
事故等で歯を失ったために
仮歯が必要となった場合は、
通常の医院ではその日のうちに
対処し切れないでしょう。
 
しかし院内ラボがあるなら、
数時間程度で患者さんのリクエストに
お応えできる可能性があります。
 
実際に黒飛が勤務医の時は
院内ラボがありましたので
患者さんに喜ばれていたと思います。
 
 
●CAD/CAMシステムのある歯科医院なら
 その操作を任せることができる。
 
CAD/CAM冠は、保険適用部分もあり
売上を上げたい歯科医院には
必須のアイテムとなりました。
 
多くの歯科医院が毎年、CAD/CAMシステムを
取り入れています。
 
歯科技工士がいれば、その操作を一任する
ことも可能です。
 
微妙な部分はやはり歯科技工士が
知っているので操作も早く、
仕上がりもキレイな場合が多いようです。
 
 
●歯科技工の外注を取り、
 別の収入源になる可能性がある
 
院内だけではなく、その特殊な技術を
院外の歯科医院へ提供することもできます。
 
いわゆるMS法人を設立することで
節税のメリットを享受するということも
可能だと思います。
 
 
 
では次に、院内ラボを持った場合の
デメリットです。
 
 
●人件費がかさむ
 
やはり、これは無視できないところです。
 
人件費が、経費の中でも
大きなウェイトを占めることは、
院長のあなたはよくご存じのはず。
 
医院の経営状態によっては、
歯科技工士を直接雇用できなくても
仕方ないでしょう。
 
 
●設備投資の問題が発生する
 
院内ラボをつくるなら、
当然それなりのコストがかかります。
 
設備にしても、
お金をむやみに出し渋ると
歯科技工士によい仕事を
してもらえなくなります。
 
※「院内ラボの設備投資にかかった分を
 回収するために、自費診療を
 メインにやっていくことにした」
 そのような体験談を黒飛は
 以前に何度も聞いたことがあります。
 
 
●スペースの問題が発生する
 
院内ラボは診察室や待合室とは
完全に分けるしかありません。
 
医院が狭い場合は
院内ラボを設ける物理的余裕は
おそらく持てないでしょう。
 
 
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すべての条件をチェックした上で
院内ラボを持つかどうかを
決めましょう
 
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院内ラボを持つのは、
すべての医院におすすめできるようなこと
ではありません。
 
無理に持つ必要はまったくありませんが、
標榜している内容や
近所の患者さんの特徴、
また院内の床面積や経営状況しだいでは、
多くのリターンを期待できます。
 
歯科技工士が減ってきている時だからこそ、
良い技工技術の確保にも
つながるかも知れません。
 
そうなれば、設備投資のために
かかったお金や毎月の人件費を
回収できるくらいの
リターンを手にできそうなら、
導入する価値はあるでしょう。
 
 
ここまでお読み頂き
ありがとうございました。
 
 
デントランス 歯科医師
黒飛一志